持続可能な開発目標へ向けた進捗状況を測定する — SDGトラッカーについて —

Japanese translation of “Sustainable Development Goal (SDG) Tracker”

Never Too Late To Mend
7 min readFeb 26, 2020

データを視覚化するサイトOur World in Data(データで見る私たちの世界)が展開するプロジェクト “Sustainable Development Goal (SDG) Tracker” (SDGトラッカー)の翻訳です。こちらのページからSDGトラッカーのその他の目標の翻訳へ移動できます。以下、訳文です。

SDG Tracker(SDGトラッカー)について

Our World in Data(データで見る私たちの世界)のSDG Tracker(SDGトラッカー)は、無料でオープンアクセスの資料であり、利用者はインタラクティブなデータビジュアリゼーションを通じて17の持続可能な開発目標のそれぞれに向けた世界および国レベルの進捗を追跡および調査することができます。この資料は、17の目標すべてにわたってあらゆる最新データを用いて最新の状態に保たれます。

2015年、世界は新たな持続可能な開発アジェンダを設定し、2030年までに17の開発目標を達成することを国連(UN)内で誓約しました:それが持続可能な開発目標です(グローバル・ゴールズとも呼ばれます)。貧困の撲滅から、すべての人々にクリーンなエネルギーを確保すること、持続可能な消費レベルの達成に至るまで、これらの目標に沿った一連のターゲットが、2030年までの15年間の取り組みを推進するために選択されました。

17の目標、169のターゲット、および232の指標の範囲は、すべての国がこれらのコミットメントを実現する上で(国内的にも国際的にも)大きな課題に直面していることを意味します。この包括性は、国家レベルの貢献を超えて拡大することも意図されていました。SDGsの範囲は、全員が果たすべき役割を持っていることを意味しています。これは、政策立案者から、研究者、教師、企業、一般市民にまで及びます。

SDGsへの関わりとその可能性は、私たちが物語を語ることを必要とします:それは、人々が現在の世界で送っている生活と、私たちが彼らに送ってほしいと望む生活との物語です。さらに、私たちは、世界中の生活条件の光景を提供するためには、あらゆる人々の物語がどのように織り成されているかを理解する必要があります。私たちが今どこにいるのか、そして2030年までにどこまで行かなければならないのかを調べるには、インタラクティブで魅力的なデータが必要です。測定基準は、SDGの指標に固有でなければなりませんが、誰もが参加できるような方法で表示されなければなりません。

したがって私たちは、Our World in Data(データで見る私たちの世界)の統合プロジェクトとして、このSDG Tracker(SDGトラッカー)を構築しました。これは、17のSDGすべてにわたる最新データを追跡するオープンアクセスのプロジェクトです。これは、利用可能なデータのあるすべてのSDG指標にわたる進捗状況を利用者が探索および追跡できるインタラクティブなハブとして機能します。

これは立ち上げておくべき不可欠なプロジェクトのように思えました。利用者が特定の指標のデータをダウンロードしたり、特定の目標やターゲットのデータを調べたりできる資料は多数ありますが(FAOUNESCOIHMEWHO JMPIEAなど)、17の目標すべてにわたって、ユーザーフレンドリーなインタラクティブ形式でデータをまとめているものはありません。これは主に、特定の機関が目標についての特定の側面のデータしかカバーしないという組織的および部門的な縄張りの結果です。独立した資料源として、私たちにはこのような縄張りや障壁はありません:私たちの役割は、さまざまな一次資料からのデータを使用して、17の目標すべてにとっての中心となるハブを提供することです。

SDG Tracker(SDGトラッカー)では、利用者は、グローバル、地域、国レベルでデータが利用可能なすべてのSDG指標の進捗状況を調べることができます(公式なターゲットの一部では利用できません)。グローバルな地図が提供されている場合、いずれかの国をクリックすると、特定の測定基準(たとえば、子供の発育不良など)が時間の経過とともにどのように変化したかの時系列が表示されます。あなたは、このチャートに国を追加して、近隣国、地域、世界中の進捗を比較することもできます。

私たちのトラッカーで使用するすべてのデータは、国連、世界銀行、世界保健機関、健康指標と評価研究所(IHME)、WHO JMP、ユネスコ、国連食糧農業機関などを含む公式の高品質な情報源から供給されています。これらの情報源からのすべての測定値はリアルタイムで更新されるでしょう。特定の指標の最新データが利用可能になるとすぐに、インターフェイスで自動的に更新されます(データの公開は年ごとに行われる傾向があります)。したがって、私たちは、2030年までの進捗を追跡するために、常に最新の資料を利用できるようにしたいと考えています。

私たちのデータはすべてダウンロード可能であり、地図とチャートはオープンアクセスです。これらの資料を誰もが望むように使用および用途に合わせて調整することができます。私たちは、それらが国連と、SDGsに向けて活動している多くの組織、研究者、教師、学習者を支援する貴重な資料となることを願っています。私たちは、この新しいトラッカーを利用する教師や組織から、すでに多くのメールやフィードバックを受け取っています。

17の目標のそれぞれについて、必要に応じて、Our World in Data(OWID)のウェブサイトの特定のエントリーまたは資料へとリンクがされています。あなたはそこで、開発のあらゆる側面に関する詳細な情報と長期データを見つけることができます。SDGsへの参加と協調的な努力を促すには、今日の世界がどのように変化しているか、現在どのようなものであるか、そして目標を達成するために私たちが達成しなければならない進歩のことを人々が理解することが不可欠です。データがなければ、これらの要素を評価することは不可能です。私たちは、進歩の感覚を持たずに、今後の10~15年を訳も分からずに歩んでしまうことになるでしょう。このデータについてのインタラクティブで魅力的なプレゼンテーションがなければ、私たちはSDGsを実現するために必要なレベルのグローバルな参加と包摂性を得られません。

SDG-Tracker(SDGトラッカー)は、オックスフォード大学とGlobal Change Data Lab(グローバル・チェンジ・データ・ラボ)の研究者による協調的な取り組みです。Global Change Data Lab(グローバル・チェンジ・データ・ラボ)はOur World in Data(データで見る私たちの世界)を公開しており、研究チームはオックスフォード大学のグローバル開発に関するオックスフォード・マーティンプログラムに拠点を置いています。

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