2021年に読んだ本

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中央公論新社 中公文庫「世界の歴史」第4巻~第30巻

10年ほど放置していたもののついに読了。今度は何か通史ものを読もうかな(マクニールの「世界史」とか)。でもシリーズものも気になるな(「興亡の世界史」とか山川各国史とか、あと今度岩波講座が出るらしいですね)。

小学館 「日本美術全集」 第1巻~第7巻

我が家にある積読本の最後の山。これさえ終われば、後は好き勝手に読み散らかすことができる……!

Rose M. Spielman, William J. Jenkins, Marilyn D. Lovett “Psychology 2e”

読んだというより翻訳した。ちょうど公開したころに心理学っぽいことを飯のタネにしている人がちょっとした騒ぎを起こしていてなんだかなって感じになったのを思い出す。この教科書は基礎の基礎なので生きていくのに役立つライフハック的なものはあまり得られないけれども、真摯にこの学問を学びたい人には始めの一冊としてお勧めしたい。

福原麟太郎 「日本の英語」

明治以降の日本の英語受容のお話。

スチュアート・A・P・マレー 「図説 図書館の歴史」

研究者じゃないライターさんが執筆してる本なので内容的には細かいエピソード集といった程度ではあるけど、本が沢山ある空間が好きな人なら楽しく読めるはず。

行方昭夫 「英文快読術」 「実践 英文快読術」

昔「英語のセンスを磨く」を必死になって読んだのを思い出したけど、今これらの本を読んだら妙に説教臭く疎ましく感じてしまって、自分が注意や助言をまっすぐ受け止められなくなっているのかもしれないと思った。物事を学ぼうとするならもう少し素直にならなければだめだな(健全な懐疑は持っておくとしても)。

斎藤兆史 「翻訳の作法」 「英語達人列伝」 「英語達人塾」 「英語の味わい方」 「英文法の論理」

「翻訳の作法」については、自分は文芸翻訳に全く興味がないのでこんなことを言うのは見当違いも甚だしいのだけど、これだけ臨機応変とか創意工夫とかの言葉のもとに好き勝手に文章いじくるくらいなら、「ご自分で小説書いたらいかがですか?」って言いたくなる。その他は、まあ、いい参考書なんじゃないですか。

越前敏弥 「この英語、訳せない!」

「日本人なら必ず誤訳する英文」がどっかでおすすめされていたのが気になってこの著者の本を手に取った。翻訳の小ネタを雑多に集めた感じで、なんか、まあ、いいんじゃないですか。

メルヴィン・ブラッグ 「英語の冒険」

英語の成り立ちと歴史を追った力作の割に読みやすいので、言語学やらの素養がなくても読み進めることができた。

カルロ・マリア・チポッラ 「経済史への招待:歴史学と経済学のはざまへ」

人文学である歴史学と、社会科学である(そして自然科学をも志向する)経済学との間を結びつける方法論や、その際における注意すべき事項をまじめに語った本である。こういう分野横断的な学問で広く目配りをするのは大変そうですね、という感想。ところでC.M.C.の一般向け著作は面白そうなものが多いので、手に取る機会があれば読んでみたい。

上田勤、行方昭夫 「英文の読み方、味わい方」

英文の読み方として参考になるところはたくさんあったけど、そもそも文学的な文章を読むことに関心がないから、行方先生の採り上げる戯曲や小説に興味がわかない。こんな愚痴を言っても詮無いことですがね。

いよいよ家に積んである本も少なくなったので、好きなものを読んでいく読書が再開できそう(ただし、本が手に入ればの話)。英語の参考書も買い増ししたいけれども、勉強が目的になりそうなのでやや躊躇している。あと自分でやる翻訳は少しお休み中であり、今後どうするかについて何らかの決断をしなければならないでしょうね。どうなることやら。

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